海南友子監督2作品の上映会と講演会/「あの日から変わってしまったこの空の下で」レビュー
岡山映画鑑賞会の主催で海南友子監督作品「あの日から変わってしまったこの空の下で」と「いわさきちひろ~27歳の旅立ち~」の上映会と監督講演会(19日のみ)が開かれました。
海南友子監督は、NHKの番組制作を経てドキュメンタリー映画監督として独立。「ビューティフル アイランズ〜気候変動 沈む島の記憶〜」などの作品を発表しています。
「あの日から変わってしまったこの空の下で」は、海南監督が東日本大震災直後に福島第一原発から4キロの大熊町での取材をした後に妊娠を知り、そこから初めて自分自身にカメラを向け、原発事故後の世界で母になる苦悩を記録した作品です。
海南監督の言葉として、「セルフドキュメンタリーという手法で自らをさらけだす作品を観てもらうのは、恥ずかしい部分もあり、これまでは使ってこなかった手法。」と語っているように、ここまで見せるのかと思うほど、プライベートな部分を撮影しています。
同時に、線量の高い中、現地で取材をした後に、自身の妊娠を知るという体験から始まる、放射線と放射性物質が与える体と胎児への影響、そしてそれを心配する心の動きを克明に記録した作品になっています。
しかし、それ故に、観る側は、セルフドキュメンタリーとして描かれる生々しさによって、疑似体験しながら感情移入し心の動きに寄り添っていけると感じます。
これは原発事故後に起こった、放射線や放射性物質の影響を敏感に感じ取っている人に対して行われている差別的ともとれる言動と対立に対して、前向きな議論をしていく土台として、相手の立場に経ってみることができる貴重な作品になっていると感じます。
日時:2014年4月19日(土)
1)10:30〜「あの日から変わってしまったこの空の下で」上映
11:40〜海南友子監督講演
2)13:00〜「あの日から変わってしまったこの空の下で」上映
14:10〜海南友子監督講演【IWJ中継アーカイブ】
3)15:10〜「いわさきちひろ~27歳の旅立ち~」上映
2014年4月20日(日)
4)11:00〜「あの日から変わってしまったこの空の下で」上映
5)12:30〜「いわさきちひろ~27歳の旅立ち~」上映
6)14:30〜「あの日から変わってしまったこの空の下で」上映
場所:岡山シティミュージアム 講義室
(〒700-0024 岡山市北区駅元町15-1)
参加費:
一般|映画+講演=1,500円/映画のみ=1,200円(2本目 +600円)
シニア・学生|映画+講演=1,200円/映画のみ=1,000円(2本目 +500円)
主催:岡山映画鑑賞会