集団的自衛権を止める今、考えておきたいこと


集団的自衛権を認める安全保障関連法案の国会審議が進む中で、カウンターの動きがようやく広がりを見せています。
政権が法案成立を目指しているとされる数ヶ月の短期間で、カウンターをムーブメントにまでしていかないといけない今だからこそ、同時に考え、共有しておきたいと思っていることがあります。

4年前の東日本大震災と原発事故の後、原発反対の動きは市民運動のカウンターから大衆運動のムーブメントになりました。個人的にはこのムーブメントで稼働中の全原発を停止させるなど、大きな成果が得られたと思います。しかしその後の揺り戻しなど含めて、成果が100%では無かった=失敗したということに対して、無力感を持つ人や先鋭化する人など分裂が起こりました。

この状況は、60年代70年代の安保闘争での学生運動や成田空港建設反対運動などのカウンターからムーブメントの流れと、その後に起こった、先鋭化、内ゲバ、無気力感と同じ道を辿っているように感じます。ここでも原因は、目標に対しての成果が100%では無かったという失敗体験からくる分裂だと思います。

どちらの場合でも、その後の思想や政治の左右バランスが崩れ、結果として、経済成長に突き進んだ後のバブルや右翼化した政権による独断的な政治に繋がっています。

つまり、カウンターをしかけようという人たちによる、目標共有と、それに対するできたこと・できなかったことの振り返りが不十分だったことで、40年50年経った現在も同じ事を繰り返しています。

政権が「ナチスの手法から学ばないと行けない」と言いながら、粛々と戦争の出来る国への政策を進める中で、カウンター側は過去から学ばないままでいいのでしょうか?
今のままでは、カウンターから短期的なムーブメントが作れたとしても、また同じ事を繰り返します。
その先にはバランスを崩し一色に染まる社会が待っています。

では、今何をするのか?

1、カウンターの動きを広げる時の目標をひとつ先に設定する

集団的自衛権を止めることは、その先の「日本が戦争をしない国であり続ける」ための手段だという事を常に一緒に広げること。
反対のプラカードはわかりやすく伝わりやすいですが、同時に目標と手段を混同させることに繋がります。反対することは目標に向かうためのひとつの手段で、目標は常にポジティブなこと。
そのための選択肢も成果もひとつじゃないことの共有が大事です。

2,カウンターは一色に染まるためじゃなく多様性を確保するための手段である事を忘れない

時にカウンターのための活動は一体感や高揚感に溢れ気持ちのいい場になります。しかしそれは、カウンターという手段を選んだ人同士のみでの感覚です。カウンターを起こすことは、常にカウンターの外にいる人との対立構造でもあります。
カウンターは自分たちが一色になることではなく、多様性を確保するための一時的手段です。

3,常に対話をする

カウンターという行動は対立構造を作ります。対立構造からは対話が生まれ、更にその周りでは議論が起こります。社会にとって本当に意味があるのは、周りで起こる議論です。そこでたくさんの意見が生まれ社会への参加意識が高まります。みんなでコミュニケーションを取り情報を交換しましょう。
対話をしないカウンターは対立を深めるだけです。情報が途絶された相手は、知らない人になり、やがて暴力や戦争につながります。
そう。戦争を起こさないための活動が戦争の原因になることもあるのです。

4,カウンターが一段落したら振り返ろう

カウンターからムーブメントに繋がっても繋がらなくても一段落したら、できたことできなかったことを振り返りましょう。例えカウンターという手段は失敗していても。その効果で変わったものがあるはずです。どんな影響があったのか?その影響は目標に対してプラスなのかマイナスなのか?原因は?この振り返りが目標に向かうための次の議論へ繋がります。
カウンターが成功したのなら、余計に振り返ってください。対立した相手とはどうなったか、どんな議論が起こったか。どう成功に繋がったか。その議論が次の目標に繋がります。

ということで、今考えておきたい事でした。
重要な法案可決や閣議決定が次々と起こり、情勢がめまぐるしく変わると同時に、わずかなカウンターは更に大きな力で押し戻される。もうカウンターで立ち向かえるレベルは過ぎているとも思っていました。
でも、それもカウンターが目的化してしまったことによる思考停止だったと思っています。カウンターという手段はなんのために使っているのかを忘れずに、カウンターの行動をしていきたいと思います。

(記事:伊東大輔)


    • スタッフ on

      コメントありがとうございます。このコメントしか残って無いようです。。

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